キンダーガーテン ～温かい居場所に～

ヤキモチ

家庭訪問も無事に終わって

去年さんざん悩んだ動物園の遠足も…後輩の咲ちゃんに指導する側になって

ちょっとずつ先輩らしくなってきた７月。

「唯先生。これ教えて貰えますか？」って…

年中組担任の航君に、声をかけられた。

「あっ⁉えっと…教えてって…言われても…。
あの…同じ学年の梓先生か夏苗先生に…。」

「あぁ～すみません。年長の小島先生に、唯先生に指導して貰いなさいって…。
先生のペンダントが良かったから…。」

「えっ…あぁ～そう…。
だったら…えっと…。あっ‼でも、よくないよ？……いい？…
見本は…。
あっ‼先生っ！…あっ、森先生があるはずだから…。
借りてくるね‼
あの…また後でも…いい？」

「はい、放課後お願いします。」

ハキハキしてて明るくて、みんなに好かれてる。

ホントにいい子だなぁ～って思うけど、近くで見ると大きいし

声も良くとおるから…何となく怖い。

やっぱり、男の子って…苦手だなぁ～。

先生だって大きいし、声だって低くて良く響くけど…

頭の中に"優しい"って入ってるから大丈夫なの。

…………たまに怖いけど……。

あぁ～あ。……指導かぁ～。

う～ん、困ったなぁ…。

製作指導って…近づかないと、無理だよねぇ？

断りたいけど…先輩命令だと…。あ～あ、憂鬱。

これが咲ちゃんなら「はい‼」って直ぐに、引き受けるんだけどなぁ。

ブツブツ言ってても放課後は来ちゃうし…

とにかく先生に相談してみよう。

ペンダント…持っててくれてるかなぁ？

グチャグチャだったから…捨ててないかな？

…………………流石に、自分の想像でもへこむ…。