キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
四人には、

『先生がヤキモチ妬いて爆発する前に離れなさい!』って言われるけど…

唯から近づいてる訳じゃないし、手伝ってくれるのに

"嫌"とも言えないし………

……ムリだよぅ~。

先生に

「四人に『航君に近づくな!』って言われるんだけど…ホント?
唯には先生のヤキモチなんて想像も出来ないのに………。
そんな事ないですよね?」って聞くと

「大丈夫。
それよりも、唯ちゃんは爆発しない?
愛里ちゃんを抱くと、すっごく怖い顔になってるよ~」

ってからかってくる。

「それは…
面白くないなぁって思ってるから……。
愛里ちゃんわざわざ"パパのところに行って来よっと!
抱っこしてくれるかなぁ~?"って行くんだもん。
今週は、お仕事が忙しくて…週末デート出来なかったのに…。」

「淋しかった?ごめんね。
愛里ちゃんにヤキモチ妬くなら、唯ちゃんも抱っこしてあげるよ。」って

べ~だ!

あんまりからかったら、イジケるんだから!

唯一人、三歳児にヤキモチ妬いて…。

何だか、空しいなぁ~

四人が言うみたいに、先生もヤキモチ妬いてくれたら良いのに…。



お子さまの恋しか知らない唯には

周りが少しずつ変わり始めてるなんて気づかなくて…。

夏の太陽よりも熱い気持ちに、戸惑うはめになっちゃった。
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