キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
聞きたかった声に安心して、先生を見ると

…すごく悲しそうな目とぶつかった。

この表情は……前に一度見たことがある………。

………………………………。

そう…。

朋君と別れた日。………

……………………………………。

もしかして、先生の話しって…

別れようってこと?…………

急に、足元から黒い影が迫ってくるみたいで……怖くなった。

胸がドキドキして……

至らなかった自分の行動が…頭の中にどんどん流れてくる。

嫌だよぅ~。離れたくないよぅ~。

先生………………。

「先生~…………嫌だよぅ~…。離れないで……。……うぅ。…
悪いところ……直すから~…。ヒッ………。」

泣きながら話すと

「ちょっ………!ちょっと……唯ちゃん!……」

泣きじゃくる唯の頭を撫でながら……オロオロしてる。

泣くなんて卑怯だとは、分かってるんだけど…

先生がいない明日からを考えると……怖くて涙が止まらない。

「離れるの…嫌なの…。先生……ごめんなさい…。ヒッ…直すから~」

「ちょっ…唯ちゃん!
あの…どうして別れるってことになってるの??」

「だって~話しがあるって…うっ……。
怖い顔…してて。…うぅ…前に…朋君と別れる日も……
そんな顔…してて…。だから……うっ……。」

なかなか泣き止まない唯の頭をぎゅーって抱き寄せて

「…ごめん。不安にさせちゃったね。…あれ程二人に釘を刺されたのになぁ。
怒ってない訳じゃないけど…ごめんね。
別れたいなんて思ってないから…泣き止んでくれる?
唯ちゃんに泣かれると…ど~も…弱くって…。」

なかなか治まらない嗚咽に、ヒクヒク言いながら先生の方を見ると

困った顔をしていた。
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