キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
「ごめん。怖い思いをさせちゃったね。オレも…いっぱいいっぱいで…。
ちょっと…イライラしてたから…。
別れたいなんて、全然思ってないよ!
それに…唯ちゃんが"別れたくない"って泣いてくれて…
かなり喜んでる。
不謹慎だけど…ごめんね。すっごく…嬉しい。」

そう言って笑った顔には、さっき見た悲しい目はなかった。

「じゃあ…ヒッ…話しって?」

「うん。…今日、水遊びの時…更衣室で航にタオル…借りたでしょう?
あれ……ちょっと…ムカついたの…。
………ウソ…。ホントは……かなりヤキモチ妬いた。」

「えっ?……ヤキモチって…?…」

「タオルを取ってもらったのは、仕方ないよ。
……でも、アイツのタオルを借りることはないでしょ?
おまけに…頭まで拭かせて…。」

「あっ‼…違っ……。拭かせて…ない。
体を拭いてたら…。いきなり、頭の上の…タオル…が。」

「嫌って…言えばいいでしょう?
まぁ…言えないのは、知ってるけど…。
…………彼氏としては…かなり、腹のたつ行動だった。」

「ご…ごめんなさい……。……」

「普段、唯ちゃんは、オレや主任や四人が色々構うから…
あまり意識がないのかもしれないけど…。
コウは…オレ達とは違うから。
オレは…彼氏だし。後の人は…女の人だからね……。
でもね、
コウは…アイツは…男だから。ちょっと…無防備過ぎ。
純真で天然な唯ちゃんは…可愛いくて好きだけど…。
それは、オレ達の前でだけにしてくれる?アイツの前でされると。
心配で…苦しいから。
オレは…ホントに唯ちゃんの事が好きだから…。
ヤキモチも妬くし、イライラもするんだ。」

「うん…。ごめんなさい……。」
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