キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
大切な人を…また、苦しめてたんだ…………。

「唯ね、先生がいつも…"コウは、いいヤツだ"って…誉めてたから…。
先生が言うなら、大丈夫なんだって…安心してたの。
だから、航君のこと…怖くなくなって。
それに…電話で…"こんな事、手伝ってくれたよ"って…話しても
笑ってたから…先生が嫌な思いしてるのも…気づかなくて…。」

「まぁ、半分は本音だよ。
確かに、あいつは新人なのに…よくやってて頼もしいからね。
ただ、後の半分は…やせ我慢。
心の狭い男だなんて、思われたくなかったから…
意地でも、大丈夫って顔をしていたからね。
四人は気づいて"無理し過ぎて爆発するな!"って
からかわれてきたけどね。」

「うん…。唯も、色々注意された。
なのに…全然先生の気持ちが分からなくて、苦しめて。
……先生…ごめんなさい……。彼女失格だね。
唯は…いつも、自分の事ばかりで…
先生の気持ちよりも…自分のヤキモチで…いっぱいになってた。」

そう言ったら、唯の言葉に…ふっと笑って

「うん、知ってた。"ヤキモチ妬いてるなぁ~"って…みてた。
ごめんね。
知ってて…唯ちゃんの前で…抱っこしてたんだ。」

「えっ⁉どうして??」

「う~ん…。怒んないでね。
唯ちゃんの拗ねた顔が見たいから…。」

ええっ!!何、それ~

「やっぱり…先生って…。イジワルだ。」

「そうだねぇ~。
イジワルって言うより…愛情確認?
唯ちゃんが、ヤキモチ妬いてくれたら…愛されてるなぁ~って
嬉しくなるから…。」

「えっ!ヒドイ。愛里ちゃん…ホンキなのに…。
……それに…唯だって、悲しいのに。」
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