私達のタイムリミット
_2010年〇月〇日_
「おい!早くしろよ!!」
「空ー!はやくー!」
家の前から2人の男に呼ばれている。私は櫻井 空(さくらい そら)。今あの声に応えられるほどの余裕は私には今はない。なぜなら……
"ブーーン。ブーーーン。ブーーーーン。"
「うぎゃぁー!飛んだ!?やだやだやだやだ。早くどっかいってよー!」
私は今世界一大大大大大嫌いな「へくさ虫」と戦ってます。
"空ー!!早くしろよ!!!"
「うるさいな。今戦ってるのに!!」
''' 空!!海と陸が呼んでるわよ!!!早くしなさい!!「入学式」なんだから!'''
外からは幼馴染の呼ぶ声。下からはお母さんが呼ぶ声。もう…早くしてほしいなら助けてよ…。
"ガチャ"
「空ー?どうした?海と陸待ってるぞ?」
「お父さん!!助けてぇ…」
半泣きで私はお父さんに抱きついた。
「どうし……」
"ブーーーーン。ブーーーーン。ブーーーーン。"
お父さんは私に聞く前に察した。
「まーた、へくさ虫か?空、こんなのにびびってたら夢の守りたいもの守れないだろ?」
「弱音につけこんでそれ言わないで…」
「はい、取ったよ!早く準備しなさい?待ってるぞ!」
「ありがとう!お父さん!!行ってきますっ!!」
カバンを背負ってお父さんに敬礼をして部屋を出た。
「ほら!早くしなさい?空!」
「はーい!!」
「お母さん達は後から行くからね?」
「うん!先に行ってるね!お母さん行ってきます!!」
「行ってらっしゃい!」
新しい制服、靴、カバン、そして…学校。新しいものがスタートするこの日に心弾ませながら私は家を出た。