夢と現実の交差点
「こっちでも会えたね、明日斗君」
そこに見えたのは、昼間のぬいぐるみっぽいものだった
表現するならば、人間くらいの大きさの言葉を喋る【ぬいぐるみもどき】である

普通なら、このタイミングは恐ろしさから声をあげてしまいそうだったが、俺は何故か、平然としていられる

俺はぬいぐるみの動物が«バク»だということに気づいていたからだ

【バク】…夢を管理していると言われる幻の動物
象のような顔をしている

そいつは、言った
「交差点の館にようこそ
館のオーナーのフランツだ」

「一体この場所は何なんです?」

「まぁまぁ、落ち着きな
話せば長くなる、お茶でも淹れよう
ささ、こっちのテーブルに来るといい」

「は、はぁ」

「うーんそうだねぇどこから話そうか
そうだ、君は昨日の夢をおばえているかな?」

「はい」
フランツさんの独自の雰囲気に気をとられながらも返事を返す

フランツさんはフッと笑うと
「あれはね、私が管理してる夢なのだよ
夢では、君は倒れることは、なかっただろう」
と言った

「管理…ですか」
おずおずと俺が聞けば

「そうだ、夢の決定権を持っていると言っても過言でないほどにな」



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