夢と現実の交差点
「早くしないと遅刻するわよ」

「チッ、分かってるよ母さん」

手短に支度を済ませ、家を出る
「行って来ます」

「行ってらっしゃい」

「う、さむ」
昨日も寒かったが一段と冷えこんできたようだ
そろそろ、雪も降り外じゃテニスができなくなるかもしれない


「よっ、明日斗!」

『お、咲夜じゃん
どうしたの?
こっちの道通るなんて珍しいじゃん』

「ん?それはな
陰気くさい顔してるおま(もういい行くぞ)え、ちょっと待てよ」

『言い訳はいいから話せ
今回はどう修羅場った』
イケメンでモテる咲夜に、女性問題はつきものだ

「う~んと、ちょっと前に田所さんに告白されて、他にも何人からか受けてたから<返事は後でいい?>って言って、保留してたんだけど、その子達がいがみ合うようになってて、猛獣と化してる」

『つまり、答えを出せる段階にないのに、答えを迫られそうだったから逃げてきたと』

「そうだよ、よくわかったね
たったこれだけで」

『いつも逃げるとき、いつもこっち使ってるから分かるよ』
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