夢と現実の交差点
扉を抜け、目に見えたのは、白い天井だった
「戻ってこれたんだな」
ちゃんと現実に戻れたことに、安堵する

「そうだぬいぐるみ、ぬいぐるみはと」
バクのぬいぐるみをさがす

「あ、あった」
棚の隅に置かれていたバクのぬいぐるみ

「あれ、目の色が違う?」
館への繋ぐ道しるべとなったこのぬいぐるみにも、変化があったようだ
今更になって夢は本当だったと思い知らされる

長期入院のため、個室となった病室に、朝の日差しが入り込む
カーテンを抜け届く光は、優しく俺を包み込むようで
「何かいいことがありそう」
そんなことを思ってしまう



やるべきことも見えず、なんとなく勉強を始めた
こんな時ばかり、何故か捗るため少し気分を楽にできた
< 35 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop