夢と現実の交差点
 愛依たちも見ているこの試合は熱戦となった
 4ゲーム先取の試合でゲームカウントは2ー2 
 次のゲームをとると流れが来るという局面である
 後衛である俺は相手のボールに必死にくらいつきつつ、反撃を狙う
 普段は格上の相手だが、今日は自然と対等にラリーができている

 このゲームはこちらがサーバーだ
ここで俺は、ゆるゆるテニスをやるなかで唯一誇れる高速サーブを放つ

 「スッパァーン」
ライン際に入ったサーブに、相手はピクリと体を動かすことしかできなかったようだ
 
 『おい、明日斗いつの間にそんなサーブ打てるようになったんだよ』
 「さあ、な」
 相手に考えさせる前に次のサーブへとトスを上げる
 
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