パノラマ・ビュー ~夜景の広がる部屋で~
☆
「じゃ、わたし、チェックインしてくるね」
エントランスの階段をあがり、洒落た造りの回転扉を抜けると、やつはそう言ってオレを追い越して行った。
大理石の床。
舶来品っぽい珍しいフォルムのソファ。
大きな天窓から降り注ぐ自然光や、ふんだんに配置された観葉植物のグリーンがリゾートっぽくて相当いい。
「はい、予約していた佐野琴葉です。ええ、2名です」
フロントのカウンターでよどみなく受け答えする声が聞こえる。
いつも通りてきぱきとした言動。
はきはきと、でもどこか涼やかな声が落ち着いたロビーに響き渡っていた。
ぷ。声デケーんだよ、あいつ。
見あげれば豪奢なシャンデリア。
きらきらと眩く煌めいていて、眺めていると目がやられそうになる。
「お待たせ~」
ポン、と肩を叩かれた。
「21階だって。すご~くいい部屋だから楽しみにしてて!」
な~んて、佐野はオレを先導するようにエレベーターへと向かう。
佐野琴葉。オレの同期。
五年前、数名いる同期入社の中で、オレと佐野は同じ部署に配属された。
超多忙。残業も休日出勤も当たり前のブラックな営業一課で、オレたちは互いの頑張りを励みに、これまでやってきたって感じ。かな。
エントランスの階段をあがり、洒落た造りの回転扉を抜けると、やつはそう言ってオレを追い越して行った。
大理石の床。
舶来品っぽい珍しいフォルムのソファ。
大きな天窓から降り注ぐ自然光や、ふんだんに配置された観葉植物のグリーンがリゾートっぽくて相当いい。
「はい、予約していた佐野琴葉です。ええ、2名です」
フロントのカウンターでよどみなく受け答えする声が聞こえる。
いつも通りてきぱきとした言動。
はきはきと、でもどこか涼やかな声が落ち着いたロビーに響き渡っていた。
ぷ。声デケーんだよ、あいつ。
見あげれば豪奢なシャンデリア。
きらきらと眩く煌めいていて、眺めていると目がやられそうになる。
「お待たせ~」
ポン、と肩を叩かれた。
「21階だって。すご~くいい部屋だから楽しみにしてて!」
な~んて、佐野はオレを先導するようにエレベーターへと向かう。
佐野琴葉。オレの同期。
五年前、数名いる同期入社の中で、オレと佐野は同じ部署に配属された。
超多忙。残業も休日出勤も当たり前のブラックな営業一課で、オレたちは互いの頑張りを励みに、これまでやってきたって感じ。かな。
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