クリスマスの奇跡
その数日後、学校からの帰り道にいつものように話していた。

「あ、麻衣。そういえばさ」

「ん?なに?」

「やすくんに明日の放課後2グラに呼んどいたで」

・・・・・・。

こいつ、今何を言った?私の聞き間違えかな?

「え?どゆこと?」

私は驚きを隠せず声が震えた状態で勇人に聞いた。

「麻衣、やすくんの事好きってゆってたやん?だから、呼んどいた」

うん、聞き間違いじゃないようだ。

私は、告白を明日しなければいけないのか!?そんな急な話ありえない。

第一に、私は告白というものをしたことすらなかった。
どういえばいいのかとか、どうすればいいのかとか。全く分からないのだ。

そんな状態で明日、告白してくださいと言われても。もうどうにもならない。
私は、あの時勇人にやすくんの事が好きだと言わなければよかったと深く後悔した。

「でも、なんかある子が話したいってゆってたーくらいしか言ってないからさ」

勇人は最近なぜか私と仲がいいことを隠したがる。これが思春期の男子の気持ちなのだろうか。

でも、それはそれで寂しいものだ。

ちょくちょく一人で泊まりに来てたにも関わらず、そのことを隠したりこうやってあんまり関係ないみたいな言い方で男友達に言ったり、なんかひっかっかる部分はあるけど・・・・。

「なんで喋ったこともない人に告白しなあかんのよ。あほなん?」

「大丈夫やって!!告白されたことあんまないし、うまくいくかもやん!」

そう、説得されたが私は引き下がらない。こんなのおかしすぎる。

「むりやろ!!!しやんで、絶対」

そう、私が言うと口を曲げ勇人はこういった。

「明日告白したんかったら、絶交やから」

シリアスにそういった。

こんな不公平なことがあるか!?私はパニック状態で内に帰った。

私は大事な友達を失うか、羞恥心を捨てるか。この二択しか残っていなかった。

家では、どうしようか一晩中考えていた。
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