君のまなざし

恋心



来年早々に妹が結婚することになり、メールで結婚祝いをねだられた。

ネット購入が出来ないショップ限定発売品らしい。

うちの店が入っているショッピングモールに店舗があるというので、早番勤務の後、見に来たんだが。

入りにくい。
パステルカラー、花柄で溢れお客は女性ばかりのインテリアのブランドショップだった。

うーん、どうしよう。

うちの店の女性トレーナーにでも頼もうかとUターンして帰ろうとしたら肩をたたかれた。

「山口さん」
振り向くとそこには会いたくて仕方なかった彼女がいた。

「こんにちは」
ニコッと笑っていた。
「彼女さんへのプレゼントですか?」

「絵里子さん、こんにちは」
突然、絵里子さんに出会えてどきどきする。
今日もきれいだ。
彼女の真っ直ぐなまなざしにいつもやられてしまう。
この瞳の虜になる。

「妹の結婚祝いを頼まれて買いにきたんですが、ちょっと入りにくくて」
「あ-、そうですね」
ふふっと笑いショップの中をチラッと見る。

「私で良ければご一緒しましょうか」
と夢のような言葉が絵里子さんの口から漏れた。

「ぜひ、お願いします!」
即答。

「はい、いいですよ。入りましょうか」
俺の横に並んで店内に進む。
< 50 / 93 >

この作品をシェア

pagetop