永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「なんつーか、初めてお前にあった時、俺はお前のこと……んーそうだな、深窓の令嬢かと思ったぞ」
「し、深窓の令嬢……?」
それって、箱入り娘って事……?
なっちゃん、そんなふうに私のこと見てたんだ……。
「大事に育てられすぎて、自分の意志を持てない……。そう考えてたけど、意外と行動力あんだな」
「あ………ううん、違うよ」
私は、白い息を吐いて太陽の光に霞む星空を見上げる。
朝と夜の境界線が混じり合うその空の下、私はあの場所を飛び出したんだと実感した。
「私は、外の世界に憧れながら、ただ雑誌を見てただけ。心の中で、言えない気待ちを溜め込む事しか出来なかった…」
弱くて、ズルイ……と思う。
何も言えないから、傷つきたくないから、胸のうちで文句を言うんだ。