永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「私、海って見たことなくて……」
「は!?マジかよ、日本は島国だぞ」
「ははは……本当にね」
何度も開いたせいか、しおりがなくても簡単に開くほどに、私は雑誌の海に憧れた。
私は肩掛けバックから、あの雑誌を取り出す。
「なんだ、それ持ってきてたのか」
「うん、私の意志を見失わないように……」
ここへ行くんだって気持ち、迷った時に取り戻せる様に。
私のお守りみたいなものだ。
「行けるわけ、無いのにって諦めてきたけど……。こうして今……夢を叶えようとしてる」
ようやく、私の意志で動き出した。
でもきっと、1人なら踏ん切れなかったよ。