永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「はぁっ、馬鹿、心配かけさせんなっ」
「なっちゃん……っ」
荒い呼吸で、なっちゃんが私を引き寄せる。
感動の再会かのように、私もヒシッと抱きついた。
「良かったっ、なっちゃんがいるっ」
「目離した俺が馬鹿だった……悪い」
抱きしめてくれるなっちゃんの腕にホッとする。
あぁ、やっと安心できた……。
「ごめんね、私が見失ったから……っ」
「今度は、手ぇ繋いどくか。もう離さねーから、お前も離すなよ」
そう言ってなっちゃんは私の手を握る。
強くて、私のとは違うゴツゴツした大きな手。
「うん!」
離さない、そんな意味を込めて強く握り返した。
こうして、再会した私達はようやく、電車に乗り込む事が出来たのだった。