永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「こっから少し歩いて乗り換えるぞ」
「うん!」
そう言って、駅の中のショッピングセンターを歩いている時だった。
「おい、そこの君たち!」
不意に声をかけられる。
顔を上げれば、人混みの向こうに真っ直ぐに、私たちを見つめるお巡りさんの姿があった。
わっ、なんでこんな時にっ……。
明らかに、お巡りさんは私たちを見てる。
「なっちゃん……」
不安になってなっちゃんの袖を掴むと、なっちゃんはチラリと視線を寄越した。
「気づかなかったふりして、Uターンすっぞ」
「あっ……」
なっちゃんは私の手を掴み、方向転換する。
そして、後ろを気にしながら、ゆっくりと反対方向へと歩き出した。