永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


ービーッ、バタンッ!!

発車寸前のバスに乗り込み、ようやくひと息つく。

私は、痛む胸をおさえて、ゆっくりと深呼吸をする。


「うぅっ……はぁーっ」


良かった……。

どうにか、警察官に捕まることなく逃げきれた……。

ホッとしていると、なっちゃんに軽く手を引かれる。


「っく……ふう、向こう席空いてる、座んぞ」

「う、ん……」


なっちゃんに体を支えられながら、2人掛けの席に座る。

そして、ぐったりとなっちゃんの肩にもたれた。


「大丈夫か、ふう………」

「う……っ」


うまく返事が出来なくて、代わりにコクンッと頷いた。


あぁ……キツイなぁ……。

こんなんで、私……この先もつの?

不安が胸に渦巻いて、気持ちが沈んでいく。



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