永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「ふう、20分くらいこのバスに乗って、行徳駅に行くぞ。そこから、ほのかの中学に行く……」
「分かっ……た……」
なんとか返事を返すと、なっちゃんは心配そうに私を見つめる。
なっちゃんだって苦しいはずなのに、私……心配かけてばっかり。
もっと強く、ならくちゃ……。
「9時3分か……」
なっちゃんは携帯のディスプレイを確認し、すぐに電源を落すと、私の首元のマフラーを少し緩めた。
「この方が、少し楽にならねー?」
「あ……」
本当だ、なんか呼吸しやすくなった気がする。
私は笑みを浮かべて、なっちゃんに頷いてみせた。
「駅について9時半くらいだろ、そのまま学校行っても、授業とぶち当たんな……」
「こっそり入る…とか?」
胸の痛みが落ち着いてきた所で、私はなっちゃんに尋ねる。
すると、なっちゃんは考えるように顎を摩った。