永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「いや……人の出入りが少ない時間帯に、俺らが侵入したら、逆に怪しいし目立つだろ。捕まって、通報されたら困る」
「そうしたら、私達は……」
「病院に強制送還、次の脱出は厳しいだろーな」
確かに……でも、こんな所で諦めたくない。
なんとかして、ほのかちゃんの手紙を渡さないと…。
でも、どうすれば……。
俯いていると、頭をポンッと撫でられる。
「そんな顔すんじゃねぇーよ」
「え?」
顔を上げると、なっちゃんは困ったように後頭部をポリポリと掻いた。
「手紙はぜってぇー渡しに行く、だからしょぼくれんな」
「私、しょぼくれてる……?」
「あぁ?無自覚かよ……」
呆れ顔のなっちゃんに、苦笑いを返す。
私の表情の変化に気づけるのって、なっちゃんだけな気がする。
私はよくヘラヘラしてるって言われてた。
私が分かりやすいっていうより、なっちゃんが鋭いんじゃ…。