永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「なっちゃん、お疲れ様。本当に、ここまで連れてきてくれてありがとう」


「まだ到着してねーけどな。やっとゴールが見えてきたって感じだな……」


なっちゃんも私と同じ様に体を伸ばすと、一緒に夜の海を見つめた。


「どうよ、初めて見た海は。まぁ、夜だからあんま見えねーだろーけど」


「月明かりが、海面に反射してて、キラキラ宝石みたいに綺麗だよ……」


「昼間の海なんて、こんなもんじゃねーよ」


そうなんだ、もっと綺麗なんだっ。

あぁ、楽しみだなぁっ。

早く明日が来ないかな。


「でも、夜の海も好きだなぁ」

「そうか?」

「うん、なんか穏やかで優しくて……ホッとする」


不思議な安心感に包まれるんだ。

まるで、なっちゃんといる時みたい。



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