永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「俺は……っ、傷つけられたなんて、思ってねぇ、よ……。それに……この旅も、お前のもの、だけ……じゃねぇっ」


「どういう、事……?」


だってこの旅は、私に外の世界を見せてくれるための……。


「俺の、生きる理由をっ……見つける……。ふう、お前が……教えて、くれたん…だろ」

「え……」


ーー生きる理由を見つけるーー

記憶のどこかで、引っかかる言葉。

そうだ……。


『なっちゃんが生きられる理由を見つけられないなら、焦らなくていいよ。これから、一緒に探して行こう』


私が言ったんだ、なっちゃんの生きる理由を探しに行こうって。


「どこまでも、一緒に……っ、歩いていくんじゃ、ねぇのかよっ……」

『なっちゃん……一緒に歩いていこう、どこまでも』


なっちゃんの言葉と、あの日の私の言葉が重なる。

なんで、忘れてたんだろう……。




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