永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「なっちゃん………」


その優しい手に、私は外から包み込むように触れた。

この手に、何度救われただろう。


「なっちゃん、少し体起こせる?」

「ん、あぁ……」


そう言って体を起こそうとするなっちゃんの背中を支えた。

そして、文さんが作ってくれたお粥を持つ。


「お粥、食べれそう?」

「お粥……つか、ここ……どこだ?」


なっちゃんは周りを見渡して、不思議そうな顔をした。


なんて説明しよう、なっちゃんは、誰にも言うなって言ってたけど……。


あの寒空の下、なっちゃんを放っておくなんて出来なかったんだもん。


怒られたって、私はきっと今回の選択をしてた。


「……ここに住んでる、文さんっていうおばあさんが助けてくれたの。お粥も、文さんが作ってくれたんだよ」


「お前、誰にも言うなって……言ったろーが……」


キッと私を睨むなっちゃん。

だけど、熱があるせいか、いつもより覇気がなかった。



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