永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
***
「……………ん…」
頬を、撫でられる感覚に、意識が浮上する。
なんだろう、触れる手が心地良い。
まるで、この胸を締め付ける悲しみを、癒すようだった。
「ふう……」
微睡みの中、誰かが私の名前を呼ぶ。
……誰……だろう。
でも、その声を聞いただけなのに、こんなにもホッとするなんて……不思議だ。
「ありがとな……」
ありがとう……?
確かに、そう聞こえた気がした。
そして、頬に触れていた手が髪へと移った感覚で、私はゆっくりと瞼を持ち上げる。
「あ、起きた……のか?」
すると、至近距離でなっちゃんと目が合った。
その瞳に、寝ぼけた私の顔が映っているのが見える。