永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「起きてたなら、起こしてくれればいいのに……」


寝顔を見られてた事が堪らなく恥ずかしい。

だからか、つい可愛くないことを言ってしまった。


「悪い、嫌な夢でも見てたか?」

「へ……?」


どうして、そんな話になるんだろう。

嫌な夢なんて………そう思って、すぐに思い出す。

嫌な夢じゃないけど、ほのかちゃんの夢を見ていた。


夢でも、ほのかちゃんに会えたことは嬉しい。

だけど、二度と会えないっていう悲しい気持ちが、今もこの胸を締め付けている。


「ふう、泣いてたからよ……気になってたっつーか……」

「私、泣いてたんだ………」


あぁ、だからなっちゃんは私の頬を撫でてくれたの?

涙を、拭うために……。


< 219 / 322 >

この作品をシェア

pagetop