永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「ほのかちゃんの、夢をみた……」

「ほのかの……そうか……」


そう言って、追求することはせずに、静かに私の頭を撫でてくれる。


今沢山聞かれたら、私は何を伝えていいのか分からずに、ただ泣いていただろう。


なっちゃんは、私が傷つかないように、真綿で包むような優しさで包み込んでくれる。


「………なっちゃん、私ね、気づいたことがあるんだ」

「おう……」


「ほのかちゃんが亡くなった時、それから……。なっちゃんが倒れた時にね、ほのかちゃんが言う行きたい場所、生きたい人と生きるには、強い心と、覚悟が必要なんだって」


失う痛み、苦しみに耐える強い心と、覚悟。


それが無ければ、行きたい場所には行けないし、生きたい人と生きることなんて、きっと怖くて出来ない。


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