永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「でも……私は、弱いから……」


そんな強い心も、覚悟も無い。

失うなんて、そもそも考えられないんだ。

なっちゃんがいなくなった世界、それはとても……色褪せて、そして……。


春なんて来ない、冷たく凍りつくような、孤独な世界に取り残されるのと同じ。


「……なっちゃん、私は………」


ほのかちゃんを失った時の絶望を知ってるからこそ、私はあの痛みに二度耐えることは無理だ。


今こうして、なっちゃんが私の頭を撫でてくれる時、言葉を交わす時、何気ない時間を過ごす度に感じる。


なっちゃんを失うくらいなら、傍にいられなくなるくらいなら……。

そう思うと、この旅を続けるべきなのか、分からなくなる。


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