永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
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「おはようございます、文さん」
「あらおはよう、朝ごはん出来てるわよ」
そう言って居間に入ると、すぐに文さんが笑いかけてくれる。
机の上には、鮭におしんこ、ほうれん草のお浸し、あさりのお味噌汁が置いてある。
「わぁ……おいしそう……」
ご飯を見た途端、お腹の虫が鳴りそうになった。
悩みがあっても、お腹はみんな平等に空くんだなあ…。
そんなことを考えていると、なっちゃんが文さんの前に出て、頭を下げた。
「何からなにまで、ありがとうございます。あの、俺……」
「夏樹くんよね、体は大丈夫?」
「え、はい……」
「それなら良かったわぁ、ほらお腹空いたでしょう、座って、座って」
何も聞かずに、気にした様子も無く、私たちを座らせる文さん。
そして、3人で机を囲むと、文さんは両手を合わせた。