永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


***


「おはようございます、文さん」

「あらおはよう、朝ごはん出来てるわよ」


そう言って居間に入ると、すぐに文さんが笑いかけてくれる。

机の上には、鮭におしんこ、ほうれん草のお浸し、あさりのお味噌汁が置いてある。


「わぁ……おいしそう……」


ご飯を見た途端、お腹の虫が鳴りそうになった。

悩みがあっても、お腹はみんな平等に空くんだなあ…。

そんなことを考えていると、なっちゃんが文さんの前に出て、頭を下げた。


「何からなにまで、ありがとうございます。あの、俺……」

「夏樹くんよね、体は大丈夫?」

「え、はい……」

「それなら良かったわぁ、ほらお腹空いたでしょう、座って、座って」


何も聞かずに、気にした様子も無く、私たちを座らせる文さん。

そして、3人で机を囲むと、文さんは両手を合わせた。



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