永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「何年経っても、どんなに離れていても、親子の絆は切れないものよ……」

「あ……」


ードクンッ

核心をつかれたように心臓が跳ねた。

そして、ゆっくりと揺れる味噌汁の波紋を見つめる。


何年経っても、たとえ離れていても……。

お父さん、お母さんは………私を大切に思ってくれてる。

絆は、簡単には切れないから……。

心配をかけてしまってる、だけど……2人は、私がしたことを、許してくれるのかな。

それでも、好きでいてくれるかな……。



「それは……この世界でない場所にいても…ですか?」


すると、ポツリとなっちゃんが呟く。

その言葉の意味は、すぐに分かった。


なっちゃん、自分のせいで亡くなったと思ってる、お母さんの事を言ってるんだ。


なっちゃんの気持ちを思えば、胸が締め付けられて、切なくなる。






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