永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「なぁ、ふう……」

「あ………」


なっちゃんは、私に手を伸ばす。

なっちゃんの手……いつも、私を導いてくれる。

大好きな、なっちゃんの手だ……。


「なっちゃん……」


私は、伸ばされた手を握り返す。

すると、指を絡ませるように繋ぎ直された。


あぁ、なっちゃんの温もりだ……。

でも、この手だけじゃ足りないって言ったら……。

なっちゃん、怒るかな……。


「ふう、来いよ……」

「えっ………」


すると、そのまま強く腕を引かれた。

瞬く間に、私はなっちゃんの腕の中へとおさまる。


えっ……?

どうして、なっちゃん……。

なんで私のこと、抱きしめてるの……?


混乱している私に構わず、なっちゃんは強く私を抱き込んだ。


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