永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「わ・す・れ・と・け」


ものすごい形相で、睨まれた。

朝から、違う意味で心臓に悪い。


「……了解しました……」

「よろしい、ほら、起きんぞ」


そう言って先に布団を出るなっちゃんに続いて起き上がる。

すると、肩からするりと浴衣がはだけた。


「わわっ……」

「おいふう、俺向こうで着替えて……って、どあっ!?」

「あ……」


私の方を振り返ったなっちゃんが、私の姿を見て大声を上げる。

お、遅かった……って、早く隠さなきゃっ!!

私は慌てて浴衣を手繰り寄せるように、前を合わせた。


「ご、ごめんね……」

「お、俺のが悪い……っ、後でな」

「う、うん……」


てっきり怒ると思ったのに……なっちゃんも照れてる?

なんだか会話もぎこちないし、あぁ、恥ずかしい。


そんなことを考え込んでいる内に、なっちゃんが部屋を出ていく。

それを見送って、私は顔を真っ赤にしながら、私服へと着替えたのだった。




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