永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



***


「「文さん、お世話になりました」」


私達は、玄関の前で文さんに頭を下げる。

2日間、文さんには家に泊めてもらうばかりか、食事まで作ってもらって……。


本当にお世話になった。


「また、顔を出しに来てねぇ。年寄りは寂しがり屋なのよ」

「きっと、また……ううん、また来ます」


また、ここに来れる。

そう信じても、いいよね?


私がなっちゃんを見上げると、なっちゃんも強く頷き返してくれた。


「本当にありがとうございます、文さん。俺たち、またちゃんと挨拶に来ます」

「なっちゃん……」


なっちゃんが、未来を語ってくれることが、すごく嬉しい。

私が笑うと、文さんはそんな私たちを見て微笑んでくれた。



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