永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「おみやげでも買ったのかな?」


あまり気にも止めずに、入口でなっちゃんを待っていると、買い物を終えたなっちゃんが戻ってきた。


「良いものがあった?」

「おー、つか、そろそろ行くか」


そう言って先に歩き出したなっちゃん。

その後を慌てて追いかけると、なっちゃんが私を振り返る。


「ほら」

「あ……っ」


伸ばされた手を、迷わずに掴む。

なんか、手を繋ぐことが自然になってきたな。


「行こうぜ、行きたかった場所に」

「うんっ」


なっちゃんの手に引かれながら、私達は砂浜を進んだ。

振り返れば、その足跡が続いてる。

これが、私たちの歩いてきた軌跡なんだと、少しだけ感傷深くなった。


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