永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
ーザァー、ザァー
寄せては返す波、冷たい潮風に私は目を閉じる。
そして、なっちゃんの手を離すと、一歩前に出て両手を広げ、もう一度目を開けた。
「これが、海……」
光の加減なのか、時々エメラルドの宝石のように見える海に、私は涙がジワリと滲んだ。
「どうだ、ここへ来た感想は?」
「なっちゃん……世界には、こんなに綺麗な場所があるんだね……っ」
感動なんて言葉だけでは、言い表せない。
ただ、気持ちが溢れて、うまい言葉が見つからないんだ。
もっとこの景色に触れたい……感じたいっ。
いてもたってもいられずに靴を脱いで、裸足で海まで続く砂浜を歩いて行く。
「すごい、柔らかい砂のカーペットみたい……」
歩く度に沈む砂の道。
感じたことの無い、不思議な感触だった。
なっちゃんは、そんな私をただ見つめている。