永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「わっ、冷たい……ふふっ」
冷たい海水を両手で掬えば、指先が痺れるほどの冷たさを感じた。
冬の海は、こんなに冷たいんだね……。
「こんな綺麗な世界を知らなかったなんて……」
私は、この景色を知らずに死んでいたかもしれない。
それは、とても悲しい事のように思えた。
「ふう」
「なっちゃん……」
海水に足をつけた私の傍に、同じように裸足になったなっちゃんがやってくる。
「つめてーな……ははっ、でも……来てよかった」
「うん、本当に……」
傍に来たなっちゃんと、自然と手を繋ぐ。
この人と、ずっとここへ来ることを望んでた。
「なっちゃん、私を連れてきてくれてありがとう」
頬を、涙が流れていく。
なっちゃんは、まるで眩しいものでも見つめるかのように、目を細めて私を見る。