永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「俺の手で、笑顔にしたいとか、一緒に幸せになりてーって思える女が出来たから……」

「それって……」

「なぁふう、それだけで、俺の生きる理由になるとは、思わねぇか……?」

「っ………」


我慢出来ずに、両目からボロボロと涙が溢れた。

喉がつかえて、嗚咽が邪魔して、うまく言葉が出ない。


だけど、ちゃんと伝えなきゃ……。

不安げに揺れるなっちゃんの瞳、その答えに自信を持ってほしいから。


「うん、立派な理由だよ、なっちゃんっ」


「っ……そーか。それなら、俺はお袋に感謝しねーとな。そんな運命の女に会わせてくれたから……」


そう言って、繋いだ手を軽く引かれると、なっちゃんとの距離はさらに近づく。




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