永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



「お父さん、お母さん。私、退院したらすぐに行きたい場所があるの」


私は、お父さんとお母さんに声をかける。

いてもたってもいられない、早く元気にならなきゃ。



「ふふっ、そう言うと思ったわ」

「あぁ、お前の好きにするといい」


2人には、私の言いたいことが分かっていたのか、温かい笑顔を浮かべながら頷いてくれた。


ーーー行きたい場所、生きていきたい人。


なっちゃん、待っててね。

必ず、あなたに会いに行くから……。


「おや、風花ちゃんに可愛らしいお客様が来たようだよ」

「え……」


東堂先生の声に顔を上げると、そこには……。

病室の入口でこちらの様子を伺っている、小さな2人。



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