永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
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2週間後、無事に退院した私は、荷物をお父さんとお母さんに預けて、その足でバスに乗る。
まるであの日、なっちゃんと病院を飛び出したあの軌跡を追うように。
ーブロロロッ
バスに揺られながら外を見ると、チラホラと雪が降っているのが見えた。
「関東でも雪が降るなんて……」
もうそんな季節なんだな……。
12月24日、クリスマスイブ。
恋人たちが愛を囁き合う特別な日。
「なっちゃん……」
自分の胸元に輝く貝殻のペンダントを見つめて、遠くにいる愛しい人を想った。
もう、会えないだろうなんて諦めない。
たとえ一生かかっても、あなたを探し出してみせるよ。