永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「ふう姉、検温だってよー?」
「あ、ほのかちゃん」
私を呼びに来たのは、同じ心臓病でここに入院している三浦 ほのか(みうら ほのか)ちゃん。
ほのかちゃんは、肩につくかつかないのきわどい黒髪ショートで、クリクリした瞳の可愛らしい、14歳の女の子だ。
「ふう姉?どうしたの??」
私のことを『ふう姉』と慕ってくれてる。
一人っ子の私にとっては待望の妹みたいな存在だ。
「ふう姉?」
返答の無い私を心配してか、ほのかちゃんが顔をのぞきこんできた。
いけない、考え事してた。
手術が分かってからというもの、こんなふうにボーッと考え事しちゃうから、困る。