永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「もうお父さんには、夏樹しかいないんだっ」
「しらねーよ、そんな事。俺は……アンタのために生きてるんじゃねぇ……」
「なんて事を言うんだ、夏樹!!」
ーパシンッ!!
乾いた音が響いた。
それに、なっちゃんから叩かれたんだと気づく。
「あっ……夏樹、すまな……」
「ってぇな………チッ、もう話になんねぇ。俺が出てく」
そう言って大股でこっちへとやってくるなっちゃん。
あっ、いけない……こっちに来るっ。
立ち聞きしてたのが、バレちゃうっ。
「あわわっ」
「…あ?なんでお前がここに……」
そんな事を考えていたせいか、時すでに遅し、なっちゃんとバッチリ目が合ってしまった。
どうしようっ、なんて謝ればっ。
許してくれないよね、なっちゃん。
触れられたくないものが、誰にでもある。
それを、こんな風に勝手に見ようとして……。