永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「ご、ごめんなさいっ。勝手にのぞいたりして……」
「……別に、とりあえず行くぞ」
「えっ、なっちゃん?」
そう言ってなっちゃんは私の手首を掴むと、迷わずどこかへと歩いていく。
「はぁっ、なっちゃんっ……」
そのスピードが少しだけ早くて、動悸がした。
胸もツキツキと痛む。
「はぁっ、クソッ、悪い、急ぎすぎた。大丈夫か?」
「う、うん……ふぅっ……」
なっちゃんが止まってくれたおかげか、少しだけ症状が治まった。
だけど、なっちゃんも辛そう。
ここに入院してるってことは、なっちゃんも私と同じ心臓病……?
「なっちゃんは、大丈夫?」
「あ?俺の事はいいんだよ、別に」
そう言いながらも、なっちゃんは空いている方の手で自分の胸をおさえている。
なっちゃん……どうして『俺のことなんて』なんて言うの…?
自分のことは、どうでもいいみたいな言い方…。
それに、なっちゃんはどこに行こうとしてるんだろう。