永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「ねぇなっちゃん、どこに……」
「うるせぇ、黙って着いてこい」
そう言って有無を言わさずやって来たのは、エレベーターだった。
エレベーター??
私、病棟の外に出ちゃいけないのに……。
戸惑いながらも、なっちゃんの手を振り払えない。
今、なっちゃんを一人にしちゃいけない気がした。
それがなぜなのかは分からないけど……。
なっちゃんは、とっても傷ついているように見えたから。
ーチーン
そして、乗り込んだエレベーターがどこかの階に到着する。
扉が開くと、そこには……。
「いい風が吹いてるだろ」
「………本当だ……」
目の前に広がる青空。
髪を撫でる、冷たい風。
吐いた息が、白くなって、冬なのだと実感した。