永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「ずっと病院の中にいたからかな、冬なんだって、季節を肌で感じることがなくて…」
私はそう言いながら、両手を開く。
そして、ゆっくりと瞳を閉じた。
「季節も、時の流れさえ感じられなくなるから、あの場所は窮屈だったの……」
この、凍てつく寒さも、心地いい。
これが、外の世界なんだ……。
「ふう……」
「あ、なっちゃん、さっきは本当にごめんなさい」
私は、慌ててなっちゃんの前に駆け寄り、頭を下げる。
そして、伺うようになっちゃんの顔をのぞき込むと、頬が赤いことに気づいた。
「……頬……」
「あぁ、さっき親父に叩かれて……」
そうだ、さっき叩かれてた。
まさか、こんなに赤くなってたなんて、気づかなかった。