永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「チャラ男……か」
「な、なっちゃん……」
私は慌ててなっちゃんの服の袖を引く。
私も、ちょっとその線を疑ったけど……。
「だって、付き合ってもねーのに、そんなこと言うなんて、聞くからに怪しいだろーが」
「それにしたって、単刀直入に言い過ぎだよっ」
オブラートって言葉をなっちゃんは知らないんだから。
しっかり者のほのかちゃんに限って、それは無いって。
質問の答えに驚いていると、ほのかちゃんが寂しそうに笑う。
「1度だけ、好きって言ってもらえた時があったんだけど……」
「え、なら2人は付き合って……」
「私が、話をそらしちゃった……。だって、いつ消えるか分からない命だし、手術をして、助かる保証も無いでしょ?」
ーズキンッ
ほのかちゃんの胸の痛みが、伝わってくるようだった。
だって、痛いほどその気持ちがわかる。
絶対なんて無いから、私達は……怖いんだ。
ーー愛する人を残していく未来。
ーー何も得られずに終わる命。
ーー後悔を残して、空へと旅立つことを。