永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
「私には、遠矢先輩に好きって言う権利は……無いって思った。そうしたら、なんかね……」
「ほのかちゃん……」
私は、ほのかちゃんをギュッと抱きしめる。
悲しくて、それでも気丈に微笑むほのかちゃんが、痛々しくて、見ていられなかった。
「でもよ、その遠矢ってヤツからしたら……」
なっちゃんがポツリと呟く。
圭ちゃんとつぐみちゃんは、いつの間にか眠ってしまっている。
だからか、なっちゃんの呟きが、やけに大きく聞こえた。
「ほのかの心臓が弱かろうが、関係ねぇと思うぞ」
「え……?」
ほのかちゃんは、その意味を伺うように、なっちゃんの顔を見つめた。
「病気はほのかの一部で、もっと言えば個性だろ。話せば、全部受け入れてくれたんじゃねーの」
「なっちゃん……」
その言葉は、聞いていた私でも感動するほどに、良い言葉だと思った。
なんて……優しくて、強い考えを持ってる人なんだろう。
なっちゃんだって自分の病気と闘ってる。
不安なのは同じなのに、なっちゃんは相手の抱える不安とも真剣に向き合おうとしてくれる。