永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。
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その後、当直の東堂 平正(とうどう ひらまさ)先生が、死亡宣告を伝えるのを、この耳で聞いた。
「ほのかぁーっ!!」
「なんで、そんな……ほのかっ!!」
ほのかちゃんが亡くなって、家族が到着すると、病室内は悲しみに包まれる。
その声が、胸を締め付けて、私は両耳を手で塞いだ。
そして、どのくらい経ったんだろうか。
ほのかちゃんが病室から運び出された後、私はぼんやりとほのかちゃんのベッドを見つめる。
月明かりだけが、部屋を照らしていた。
「「ふう姉……」」
騒ぎを聞きつけて、いつの間にか起きていた圭ちゃんとつぐみちゃんが、私の服の袖を引く。
だけど、私は何も言えずに、振り返ることも出来なかった。