永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「だから……この命が、もし消えてしまうのだとしたらっ」


言葉にすることが怖い。

私のわがままで、お父さんとお母さんに心配をかけてしまう。

だけど、私はほのかちゃんの言葉から、逃げたくない。


『良かっ……た、今まで……あり、がとっ…う、ふう姉………』


ほのかちゃん……違うよ、お礼を言うのは私の方。

ありがとう、ほのかちゃん。

私に、前に進む勇気をくれて。


「………行きたい場所、私……海を見てみたいっ。この命が終わってしまう前に、知りたい世界があるのっ」

「よく言ったじゃねーか、ふう」


すると、なっちゃんは嬉しそうに笑う。

私は、それに笑顔を返した。


私、自由になりたい。

外の世界へ行ってみたいよ。

この世界に思い残すことの無いように。



< 84 / 322 >

この作品をシェア

pagetop