永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「それはふうも一緒だろ」

「それは……」


手術を受けるのなら、私と同じでかなり心臓病が進んでるはず。

ここを出たら、私達はより、『死』に近づく。

だけど、それでも……。


「なっちゃん……私を外の世界に連れてって」

「……よっしゃ、なら決まりだな」


私がなっちゃんの手を取ると、強く握られる。


怖いけど、だけど……。

なっちゃんが傍にいてくれるのなら、きっと大丈夫。


「ふう、着込めるだけ着込んで来い。俺も、準備してすぐここに戻ってくる」

「う、うん……わかった」


不安になりながらも、強く頷く。

すると、なっちゃんは部屋を出ていった。



< 86 / 322 >

この作品をシェア

pagetop