永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「ほのかちゃん……」


まだ、ほのかちゃんの私物が残った床頭台。


数時間前まで、ほのかちゃんが眠っていたベッドに敷いてある、シーツの皺。


ほのかちゃんの家族はまだここには戻ってきていない。

荷物は、違う日に取りに来るのかな……。


「ほのかちゃんがいた証、どんどん消えちゃうね……っ」


ほのかちゃんのベッドに触れて、あの明るくてしっかり者の笑顔を思い出した。


『ふう姉っ!!』


ふう姉、ふう姉って、いつも跡を継いてきて……。


圭ちゃんとつぐみちゃんにはお姉さんっぽく振る舞うのに、私には、時々甘えてきたり。


そんな、歳の近い妹のようなほのかちゃんが、大好きだった。


< 88 / 322 >

この作品をシェア

pagetop