永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「ほのかちゃん……っ、私……行ってきます」


そう声をかけた時だった。

手をついた枕から、カサリと音が鳴る。

不思議に思って枕を持ち上げると、その下には……。


「手紙……?」

そこにあったのは、手紙だった。

手紙を手に取ると、宛先には、如月 遠矢様と書かれている。


「まさか……これ、ほのかちゃんが告白するために書いた……っ」


あぁ、やだ……。

ほのかちゃんとの会話の一つ一つが、想いが……ふとした瞬間に思い出される。


「ふう、準備出来たか……って、泣いてんのか?」


すると、黒のダウンコートに、ジーンズ姿のなっちゃんが、現れる。

その手には黒い手袋がはめられていた。


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